印刷の概念が変わりつつありオンデマンド印刷にも注目

印刷の大部分はオフセット印刷

印刷の版式は、基本的なもので3種類です。凸版と凹版と平版です。今日行わる印刷の大部分は、平版のオフセット印刷(ウエットオフセット)です。紙幣印刷の分野では、凸版のオフセット印刷(ドライオフセット)もあります。記念コインにカラー印刷を施す場合、凹版のオフセット印刷を用います。特殊な場合は別にして、オフセットと言えば、平版オフセットになります。平版オフセットは、水と油との反発を利用していて、版が平らであるため、紙との摩擦で版が傷みやすく、柔らかなゴムのロールを介することで耐刷力を向上させています。平版オフセット印刷で使う版は、写真製版の技術を応用していて、コンピューターとの相性もよく、比較的安価に製版できるため、大いに普及しています。

最も古い凸版印刷が一部で再評価される

印判の原理をそのまま用いた凸版印刷は、オフセットの普及で時代遅れとなりましたが、凸版には独特の味わいがあるため、一部の分野で再評価されています。凸版印刷によって作られる印刷物の魅力は、その力強い印象を与える表現力にあります。凸版では、版の突出した部分にインクを付け、紙に強く押し付けるため、インクが外側に少し食み出ますが、この部分をマージナルゾーンと呼んでいて、独特の味わいになっています。また、印圧が強い場合、紙が少し凹みますが、これも力強い印象を与えるものとなります。ハガキ印刷や名刺印刷など、小型の印刷物で見た目の印象が重要となる特殊分野で、見直されています。

オンデマンド印刷に活路を見出す

多品種少量印刷の究極の形は、オンデマンド印刷です。オンデマンド印刷は、インクジェットプリンターやレーザープリンターの原理を用いたもので、製版の工程がありません。コンピューターの原稿データあるいは画像データが、版に該当します。1部だけの注文にも応じられ、印刷の概念が大きく変わりました。印刷は、今や文字情報や画像情報の大量生産方法とは限りません。そのため、印刷の応用範囲が広がっています。オンデマンド印刷は、従来の概念では印刷に含まれませんでしたが、機能的には印刷そのものです。オンデマンド印刷も、印刷の一種と考えるべき時代になりました。

ネットでお買い物をしたときに同封されてくる封筒に、会社の名前や住所が印刷されていませんか?実はあれが「封筒印刷」された封筒となります。